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『あなたのゴールデンをブリーディングしたいですか?』
By Bev Brown
※GRCJの会報への寄稿
『ブリーディングすべきかすべきでないか....それが問題だ』
By Gloria Dittemann
ゴールデンレトリーバークラブオブアメリカ・オンライン大衆教育委員
※ブリーダーではありません
可愛い自分の愛犬を繁殖しようと考える人も多いでしょう。

でも、ちょっとまってください。

そのブリーディングは本当に必要なものなのでしょうか?
良いブリーダーになるために考慮することとはなんでしょう?

下記の記事を読んで、もう一度よく考えてみてください。
あなたのゴールデンをブリーディングしたいですか?
新しくゴールデンを飼った人がその犬をブリーディングしたいと考えるのはめずらしいことではありません。ゴールデンはすばらしい犬種ですから、子犬を生ませるのはすばらしいことかもしれないと思えるのです。
しかし、無知ゆえに、多くのニューオーナーは自分の犬は、良きコンパニオンであっても、ブリーディングすべき犬である必要はない(たとえ性格がいいとか、股関節が正常だとかという長所を持っていても)ということを認めようとしないようです。

また、彼らはブリーダーの責任の重さや、ブリーディングにかかる時間と費用についても認識しません。ブリーディングする前に、犬種について、性格、能力、構成、遺伝性疾患などについて学ばなければならないのは至極当然です。それでも、なおブリーディングに魅力を感じるなら、新しい命を作り出す前に、ふさわしいクオリティの犬を手に入れなければいけません。ゴールデンをブリーディングすることは簡単です。しかし、クオリティの高いゴールデンをブリーディングすることはとても難しいのです。そして、ブリーディングはお金もかかるし、すべての子犬に、愛され、正しく世話され、いい加減なブリーディングをしないような永久の家庭を探すことはとても時間を費やすものです。

もし、自分のゴールデンをブリーディングに用いようと思っているのなら、ブリーディングの前にあなたの犬をさまざまな方面から、公正にそして注意深く評価することによって、あなたがこの犬種の保護ということに対してどれくらいの熱意を持っているかを示せるでしょう。これを客観的に行なうのは難しいことかもしれません。なぜなら私達のほとんどが自分の犬はひいき目に見てしまうからです。この犬種に詳しい人に意見をもらうのも役に立つでしょう。

この目的と競い合う楽しみによって始まったのがドッグショーです。犬達はその動きと構成を公正な専門家によって審査されるのですが、それはその犬種の完全とされるスタンダードの記述により近い、構造上健全な個体を選び出すために行なわれるのです。もちろん、ブリーダー自身もよい選択をするために、正しい構成と動きについて良く知っている必要があります。また、性格や知能、訓練性能を評価する能力も必要ですし、遺伝性疾患について勤勉でなくてはいけません。そしてスタンダードをよく知り、理解しなければいけません。

<良いブリーダーとは>

@ 良い性格を持ち、正しい構成と、書面で証明される正常な股関節、目、心臓を持ち、皮膚アレルギーやてんかんなどの遺伝性と考えられる病気を持っていない犬のみをブリーディングに用いる。
A 子犬を育て上げるのに十分な設備・環境がある。
B その犬の改善したい部分を補えるような構成を血統をもった高いクオリティの交配相手を選択する。
C 妊娠犬のケア、出産時の対処、子犬のケアなどのに関して十分な知識を持っている。
D この活動的で毛の多い大型犬を愛し世話してくれる買い手を選択する。
E 予期せぬ医療費(母犬や子犬の病気、帝王切開など)の出費を覚悟できる。
F 利益のためではなく、犬種の向上のためにブリーディングする。
G 子犬を譲渡するとき、スタッドサービスをするときには明確な契約書を用いる。
H 子犬の買い手に血統書や両親犬の遺伝性疾患に関する証明書を渡す。
I 子犬の買い手に食餌、グルーミング、しつけなど犬の生活に関してのアドバイスができる。
J どんな時でも、売った子犬がそれ以上飼えなくなったような場合は引き取ることができる。

多くの人はどうしてもブリーディングしたくて、たとえその犬がまったくブリーディングにふさわしくない犬であったとしても、生ませることに固執します。彼らは「一回だけ生ませてみるつもりです。何が悪いんですか?」と言います。実際、悪いことではないかもしれません。しかし、一回ブリーディングされる度にまた新たな犬が生み出され、そして、その犬達の新しいオーナーがそれぞれブリーディングすれば(たとえ、“一回だけ”でも)どんどん犬が増えていくのです。

新しいオーナーたちは、もしブリーディングに関する正しい知識が与えられなければ、彼らはその子犬のブリーダーよりもさらに知識の少ない状態で、やはりその子犬をブリーディングしたがるでしょう。犬種の将来なんて考えることはないでしょう。

元となる犬が、ブリーディングにふさわしいクオリティでなく、それぞれの子犬のオーナーが犬種やブリーディングに関する知識を持たないでブリーディングしたなら、犬質は急激に劣化し、犬の数は急激に増加するのです。(もちろん、質の高いブリーディングにおいても、ブリーディングクオリティではない犬が何頭かは生まれます。)そうすると、ゴールデンはもはや望ましいコンパニオンではなくなり、ハタネズミのような、たくさんいて不要のものになってしまうのです。値段はどんどん下がっていき、買いたい人の数が十分にいないようになっていきます。売れないままパピーは大きくなり、かわいくなくなっていき、たくさん食べ、ワクチンは打たなくてはいけないし、トレーニングや社会化も必要になってきます。牝の子犬は6か月にもなるとシーズンが始まり、牡犬と分けなければいけなくなります。それでも牝の発情の匂いをかいで鳴いたり、吠えたりする牡犬を止めることはできません。楽しくておこづかい稼ぎにもなると思って始めたことがいつのまにか悪夢に変わるのです。

ブリーディングはとても楽しくて、ちょっとお金をかせぐにはいい方法と感じるかもしれませんが、全く逆の結果になりうるのです。

あなたが、一頭の健全ですばらしいコンパニオンを責任あるホビーブリーダーから手に入れて、そしてもう一頭欲しいと思ったら、自分の犬をブリーディングすることよりも、また同じブリーダーから買うか、別のホビーブリーダーから買うことを考えるほうが賢明です。

不妊手術をして、家庭犬としての生活を楽しんでください。不妊手術はかわいそうなことではなく、犬は自分の子供が見たいなんて考えないのです。犬達は飼い主のコンパニオンになることが最大の幸せなのであり、発情サイクルによるホルモンの上下や、牡が発情中の牝犬に興奮することは犬にとって幸せではないのです。

もし、本気で真剣なホビーブリーダーになることを選ぶなら、ブリーディングを始める前にできるだけすべての事を勉強してください。そして、ブリーディングにふさわしいクオリティの犬で始めてください。

もし、犬との暮らしやいろんな催しや犬仲間との交流を楽しんでいて、ブリーディングはしないと決心したって、それらのことは引き続き楽しめます。ブリーダーになる必要はありません。クラブの人にブリーディングとは別の分野で犬種に貢献できる方法を尋ねてください。それはとっても楽しく、やりがいがあることでしょう。
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ブリーディングすべきかすべきでないか....それが問題だ
GRCA/ゴールデンレトリーバークラブオブアメリカ ホームページより
(著者の承諾を得て翻訳し、掲載しています。)
犬を飼っていらっしゃるかたは、一度は「ブリーディングしたほうがいいかしら?」 ということがあるでしょう。たとえそれが一時的なものであっても、だれもが、自分にとって「世界中で一番」の愛犬の子供を作りたいという誘惑にかられるものです。 皆さんも考えられたことがあるかもしれませんが、犬をブリーディングするための 判断基準とは何でしょう?そしてご自分の愛犬をブリーディングすべきか、避妊すべきかどうかをどのように決定したら良いのでしょう?

一般オーナーも、ブリーダーも、アメリカにおいてもまた他の国においてもいくつかの立ち向かわなくてはいけない深刻な問題を抱えています。

「ペットの人口過剰」はアメリカにおいて最も大きな問題です。私が得た最新の統計では、アメリカヒューマンソサエティによると、1992年にはアメリカにおいて75万頭のペットが処分されています。例えば、6年間の間に、一頭の避妊していない牝は何頭の子孫を作り出すことができるかというと、なんと6万7千頭になるそうです!これは 心の痛む現実です。そして地方あるいは国家のレベルで、犬の増加を防ぐための法案の導入が検討されています。これらすべてのことを考慮するなら、私は犬をブリーディングする理由となりえるのはただ一つ、犬種を向上させるためだけに行うものだと考えます。


もしあなたの犬がその犬種を代表するようなクオリティで、かつその犬種に出やすい 遺伝性疾患がないと証明されていて、かつその犬種の未来に寄与する何か(例えば、平均的ではない優れた知性、性格、フィールド、訓練、ショーでの優れた能力等)を持っているなら、そしてあなたが初心者ならまず愛犬のブリーダーに相談してみてください。

ブリーダーはあなたにその犬が本当にブリーディングにふさわしい犬かそうでないかを教えてくれるでしょう。ほとんどのブリーダーは、もし子犬がショーやブリーディング用のクオリティであるなら、買い手にそう告げるはずです。ですからあなたは すでにその犬がブリーディングに適したクオリティかどうかはもう知っているかもしれません。信頼できるブリーダーはペットクオリティの子犬は不妊手術の同意書を つけて売るものです。そしてもしあなたが子犬を買う時にそれにサインをしているのに、今ブリーディングを考えているのなら、考え直してください。サインした契約書の条件に違反したことをするなら、あなたはブリーダーに訴えられるかもしれません。

もしあなたがショーでも高い水準の犬を作っている信頼できるブリーダーから買ったのではなくて、近所の知り合いとか、ペットショップとかで買ったのであれば、残念ですが、ほとんどの場合、ブリーディングを考えるような犬ではないでしょう。


ショーに出し、犬種の向上をめざして、慎重にブリーディングをしている信頼できるブリーダーでさえ、様々な理由で自分の犬がブリーディングできるようなレベルには ならず、不妊手術をしなくてはならない事があります。
不妊手術は性ホルモンが引き起こす悩ましい問題行動が生じることを防ぐ助けにもなりますし、健康維持にも役立ちます。なにより愛犬がこの忌まわしいペットの人口過剰問題の一因になることは決してないのです。

性成熟前に不妊手術をすることは、生殖器の癌の発生を永久に避けることができます。これらの癌は、性成熟後に性ホルモンによって引き起こされるのです。ですから早期の不妊手術はこれらのホルモンの分泌を防ぎ、その種の癌が発生することはありません。今日癌はすべての純血犬および雑種において主要な死因となっています。癌の中でも、生殖器の癌(牡であれば、ペニスや睾丸、前立腺の癌、牝であれば、膣や卵巣、子宮、乳腺の癌)は最も頻度が高く、命にかかわる可能性が高いものです。また生殖器の癌は痛みが強く、治療が難しく、費用がかかり、そして死に至ります。 そして生殖器の癌は早期の不妊手術によって完全に防ぐことのできる癌です。また早期の不妊手術は、癌だけでなく、子宮の病気や前立腺の病気のリスクを減らします。避妊手術をした牝はもう二度と、膣脱や子宮脱、子宮蓄膿症、子宮内膜炎、乳腺炎、子宮の感染症などの多くの命をおびやかすような生殖器系の疾患にかかる心配がありません。犬種の向上を目的にブリーディングしているブリーダーは、自分達の犬がこのようなリスクを背負っていることを理解しています。そして自分が愛する犬種を向上させていくために、将来自分の犬に起こりうることの覚悟をしています。しかし多くのペットオーナーの方は、一度将来愛犬に起こりうるリスクを理解すると不妊手術をすることを選びます。これは責任ある行動だと言えます。


このような健康面でのメリットと同時に、早期の不妊手術は、とても良く生じる性的な原因による望ましくない問題行動を避けることにも役立ちます。これは牡の場合では自分より目下のもの(例えば近所の子供やあなたの子供)へのマウンティング(これで子供に怪我をさせてしまうことがある)、縄張りへのマーキング(家のソファーやベッドにも行う時もある。一度家具についたら、その悪臭を取り除くのは難しい。)他の犬、場合によっては人間に対して向けられる縄張り意識からの攻撃性、逃走欲の増加(避妊していない牡犬や雌犬はしばしば放浪したがります。牡犬は1マイル離れた所に いる発情中の牝を求めて行き、その牝を得るためにはどんなことでもします。発情中の牝犬は牡犬を求めて遠くにでも行きます。)などがあります。

もし30キロも40キロもあるような大型犬なら、フェンスを壊し、庭を荒らし、他の犬(縄張り意識による攻撃性が強いならなおさら)や人間ですら傷つけることにもなるのです。(子供にマウンティングしようとして子供を前足で抱え込み、その時爪で傷つけたり、噛んだりすることもあります。)


牝においては、性ホルモンが原因でおこる問題行動は、神経質になったり落ち着きがなくなったりすること、(これは発情6週間前から始まるようです。私の友人のドッグトレーナーは「雌犬は発情期には脳みそがフロリダに行ってしまう」と言います。)他の犬、場合によっては人間に対して向けられる縄張り意識からの攻撃性、(自分の縄張りにマーキングする犬もいます。)逃走欲の増加などがあり、また膣や子宮の感染症によって問題行動を起こすこともあります。

加えて雌犬は発情期には陰部からの出血があります。これは通常7ー9日続きます。そして発情が始まったら3週間はたとえ一分でも牝犬を外に放してはいけません! あなたは自分の家の敷地内でもリードなしで散歩にいけないでしょう。見知らぬ犬がフェンスを越えて侵入してこようとするかもしれません。なぜなら、あなたの家の周囲半径1マイルの中のすべての去勢されていない野犬を引き付けているのですから。

出血で部屋を汚さないための生理帯もありますが、多くの犬はそれをはくのを嫌がりますし、はいても食いちぎってしまったりします。そして交尾してしまってから初めてそれに気が付いたということになるのです。しみ抜きを使って掃除しながら発情が終わるまでじっと待つ以外に打つ手はありません。

不妊手術をしていない犬を室内で飼うにはこのようにたくさんの大きな問題が伴います。もし愛犬がショーとかに出していなくてコンパニオンとして飼われているなら、早いうちに不妊手術をすることは賢明で責任ある選択だと思います。

それは犬のためであり、飼い主のためでもあるのです!私は率直に言って、私達愛犬家すべては、自分のエゴを捨てて、この国のペットの人口過剰問題について考え、伝えていく義務があると思います。良識のあるペットオーナーは不妊手術をするのです。


ブリーディングをするとお金が儲かると思いますか?もう一度考えてみてください! もし正しいやり方、すなわち遺伝性疾患を持たないと証明された犬を用い、ショーに出して犬質の客観的評価をもらって、ブリーディングにふさわしい犬であることを証明し、妊娠犬を正しく管理し、子犬を正しく世話し、社会化するなら、子犬を売った後にお金が残ることはほとんどありません。せいぜいその子犬達の広告費くらいでしょう。(それとも正しくないやり方でブリーディングして、遺伝性疾患や性格の欠陥を持った子犬を買ったオーナー達から一年も二年も抗議されたいですか?現代は訴訟社会です。欠陥のある犬を売りつけられた人達が黙って我慢する時代ではないのです。)


また、もし子犬が売れ残ったらどうしますか?これは良いブリーダーにでも起こりうることなのです。数ヶ月もそれ以上も数頭の子犬が売れ残っても、その犬達を正しく世話する覚悟や場所はありますか?あなたは自分が作り出した子犬すべてに一生涯良い家庭を与えることを保証できますか?(牡犬のオーナーの皆さん!これは父犬の飼い主の責任でもあります。)信頼できるブリーダーは、自分達がこの世に作り出した 犬達に対するこの責任をしっかり認識しています。


もしあなたが今いる愛犬に似た犬がもう一頭欲しいと思ってるのでしたら、愛犬のブリーダーに電話してみてください。同じ組み合わせの子犬がいるかもしれませんし、 さもなくばあなたのその素敵な愛犬と同じような特徴を持った子犬がいるかもしれません。

ゴールデンレトリーバーのような純血種を飼う利点の一つに、犬種には決まった特徴、すなわち毛質、色、性格などがあるということがあります。 ですから、どんなゴールデンの子犬でも、正しく世話し、正しく育てれば間違いなく 今あなたが愛していて素晴らしいと思っている愛犬と似たような犬に育ちます。

皆さんがこれらの私の意見を慎重に考慮し、責任ある決定をしてくださることを望みます。忘れないでください、犬は、子犬も成犬も使い捨てではありません!
by Gloria Dittemann
ゴールデンレトリーバークラブオブアメリカ・オンライン大衆教育委員
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