もしあなたが、犬の失敗を見つけて、10分もたってから叱ったとしたら、きっとその犬は叱られているのは今していたこと(すなわちその失敗の10分後にしていたこと)のせいだと思ってしまうでしょう。
もしその時に愛犬があなたの足元におとなしく寝そべっていたとしたら、あなたはとんでもない失敗をしたことになるのです!(足元におとなしく寝そべっていることが悪いことだと思う)
もしあなたが、タイミングよく、犬が何かの過ちをしたときにその場ですぐ叱ることができないなら、犬ではなく、しつけのタイミングを逃したあなた自身を叱るべきです!このことを肝に命じ、この次はわるさをした犬を現行犯逮捕するようにしてください。
例えば、あなたが帰宅してみると、お気に入りの靴がズタズタにされていて、犬は気持ちよくソファーの上で寝ていたとしましょう。この時金切り声をあげてしまうと、犬はあなたが帰宅したことと叱られることを関連づけてしまうでしょう。あなたが靴のことで頭に来ているという事は、たとえあなたがその靴を犬の鼻先に突き付けてみようと、振り回してみようと、犬には通じないのです。この犬はたぶん、その次にあなたが出掛けると、とても神経質になり、確実にまたこの破壊的行動を取るでしょう。あなたが帰って来たときにその犬が見せる子羊のようなおとなしさは“私が悪うございました”という反省の念を表わしているのではなく、そういうふうにしているほうがいいんだと犬が学んだ結果なのです。
ですから、犬が何が許されることなのかということを理解するまでは、あなたが一緒に居れない時は犬をクレート(ケージやバリケンネル)に入れておくことは良いことです。犬がルールを知っているはずだと思って、犬が好ましくないことをしたら叱るのは間違っています。犬がめちゃくちゃなことをして、手がつけられないくらいになる前に、どういう事をやるとどんな刺激が帰ってくるか(誉められるのか、叱られるのか)を教えてしまうことです!
このタイミングの原則は誉めるときにも同様です。もし犬が良いことをしたなら、すぐに誉めてあげてください。その良い行動を止めるのを待って誉めるなら、犬は“止めたこと”を誉められていることになります。たとえば、犬が誰か他人がドアに近づいて来たときにドアの前に座って知らせてくれたとします。もしあなたが、犬が立ち上がってドアから離れるまで待って誉めるなら、あなたは犬にドアから離れなさいということを教えていることになります。
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