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≫ 犬の学習パターンは人間と異なっています

≫ 犬のトレーニングはタイミングがすべてです!

≫ 犬のしつけの唯一の方法は・・・

≫ 具体的な例
  噛むこと / 吠えること / 飛びつくこと
  リードを引っ張らずに歩くこと / クレートトレーニング
  トイレのしつけ

≫ 最後に

By Cheryl Minnier
(デラウェア ゴールデンレトリバーレスキュー組織代表)

翻訳/編集:GRCJ
犬の学習パターンは人間と異なっています
犬には倫理観というものがありませんから、良いか悪いかという原則に基づいて行動しません。犬の行動は“刺激反応”原則(それをすることによりどのような刺激が反応として帰ってくるか)に基づいているのです。

もし、ある行動が犬にとって喜ばしい結果をもたらすなら、その行動は繰り返して行なうでしょう。もし、犬にとって嫌な結果をもたらすなら、もうその行動はしなくなるでしょう。(ただし、その行動を起こそうとする気持ちをあきらめさせるほどの嫌な結果になればですが)

例えば、牡犬がシーズン中の牝にマウントしようとして叱られても、おそらく、その犬はマウントすることをやめないでしょう。なぜならこのマウントするという行動を起こす衝動はものすごく強いものだからです。(本能に基づくものだから)

しかしながら、テーブルの脚を噛ろうとする犬を矯正することは、他の物を噛ませてこの犬の噛みたいという欲求を満たすことが可能なので、テーブルの脚を噛らないようにできるのです。あなたの愛犬に何をしてほしいか、してほしくないかを教えるには、犬が良いことをした時には“喜ばしい刺激”(例えば、ほめ言葉やごほうび)を与え、犬がしてほしくないことをした時は、“喜ばしくない刺激”(例えば、厳しい口調で“No!”と言ったり、カラーを素早くチョークしたり)を与えなくてはいけないのです。
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犬のトレーニングはタイミングがすべてです!

もしあなたが、犬の失敗を見つけて、10分もたってから叱ったとしたら、きっとその犬は叱られているのは今していたこと(すなわちその失敗の10分後にしていたこと)のせいだと思ってしまうでしょう。

もしその時に愛犬があなたの足元におとなしく寝そべっていたとしたら、あなたはとんでもない失敗をしたことになるのです!(足元におとなしく寝そべっていることが悪いことだと思う)

もしあなたが、タイミングよく、犬が何かの過ちをしたときにその場ですぐ叱ることができないなら、犬ではなく、しつけのタイミングを逃したあなた自身を叱るべきです!このことを肝に命じ、この次はわるさをした犬を現行犯逮捕するようにしてください。

例えば、あなたが帰宅してみると、お気に入りの靴がズタズタにされていて、犬は気持ちよくソファーの上で寝ていたとしましょう。この時金切り声をあげてしまうと、犬はあなたが帰宅したことと叱られることを関連づけてしまうでしょう。あなたが靴のことで頭に来ているという事は、たとえあなたがその靴を犬の鼻先に突き付けてみようと、振り回してみようと、犬には通じないのです。この犬はたぶん、その次にあなたが出掛けると、とても神経質になり、確実にまたこの破壊的行動を取るでしょう。あなたが帰って来たときにその犬が見せる子羊のようなおとなしさは“私が悪うございました”という反省の念を表わしているのではなく、そういうふうにしているほうがいいんだと犬が学んだ結果なのです。

ですから、犬が何が許されることなのかということを理解するまでは、あなたが一緒に居れない時は犬をクレート(ケージやバリケンネル)に入れておくことは良いことです。犬がルールを知っているはずだと思って、犬が好ましくないことをしたら叱るのは間違っています。犬がめちゃくちゃなことをして、手がつけられないくらいになる前に、どういう事をやるとどんな刺激が帰ってくるか(誉められるのか、叱られるのか)を教えてしまうことです!

このタイミングの原則は誉めるときにも同様です。もし犬が良いことをしたなら、すぐに誉めてあげてください。その良い行動を止めるのを待って誉めるなら、犬は“止めたこと”を誉められていることになります。たとえば、犬が誰か他人がドアに近づいて来たときにドアの前に座って知らせてくれたとします。もしあなたが、犬が立ち上がってドアから離れるまで待って誉めるなら、あなたは犬にドアから離れなさいということを教えていることになります。

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犬のしつけの唯一の方法は・・・
犬のしつけの唯一の方法は、あなたがして欲しい事をしたときに誉め、して欲しくないことをしたときに叱る−どちらもすぐその場で−です。

もし、自分に教えることができるのだろうかとかうちの犬に学ぶことができるのだろうかと思うのでしたら、ためしにちょっと餌入れのボウルを持ってみてください。犬はすぐにやってくるでしょう?犬が学ぶことができる証拠です。あるいは座ってテレビを見てください。犬がやってきて、なぜてもらおうとするなら、それはあなたが座ってテレビを見ているときそばへ行けばなぜてもらえるということをあなたが犬に教えたということです。私たちは常に犬に何かを教えているのです。そして私たちは“犬に教えたいことを教える”ことができるよう学ぶ必要があるだけです。

犬のトレーニングでもうひとつの大事な原則は声の調子です。叱るときは、かん高い声や普通の声の調子ではなく、低い声でうなるようにしなくてはいけません。ドスをきかせるのです!

誉める時は調子よく、ハッピーな感じでなくてはいけません。この声の調子で誉めれば、犬はすぐにこちらへ注意を向け、尻尾を振り始めます。もし犬がこうした反応を示さなければ、するまで誉め方の練習をしてください。また、命令の言葉は一貫していなければなりません。

お座りをさせるのに、ある時は“シット”と言い、またある時は“シットダウン”というなら、犬は混乱するだけです。一つの言葉を選び、その言葉だけを使うようにしてください。命令は短く発し、なおかつ何回も繰り返してはいけません。初心者の犯す過ちで最もよく見られるのは、犬を見て「お座り。お座り。お座りぃ〜ってば!ねぇ〜座ってよ〜」と犬に懇願することです。
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具体的な例
“刺激・反応”原則を利用して、普通の問題行動の多くを解決することができます。以下例をしめしましょう。

≫ 噛むこと

もし犬が噛んではいけないものを噛むようでしたら、それを噛んでいるときに厳しい調子で“ノー”と一言叱ります。そしてすぐに噛んでもよい適当なものを与え、それを噛んで遊べば誉めてあげるのです。子犬は何かを噛ませる必要がありますが、何を噛んでよいのかをその子犬に解からせてあげなければならないことを忘れないでください。

沢山のおもちゃを与えて子犬を混乱させないでください。一つか二つ与えるだけでよく、決して古くなった靴や靴下を与えないでください。さもないと新しいものまで噛られてしまいます。物を噛むことは退屈だったり不安感を持っていたりするのが原因となっている場合もあります。その場合、それらの問題を解決すれば噛みつき行為を止めさせることができます。
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≫ 吼えること

吠えることは犬のコミュニケーションの一つの方法です。長い時間一人ぼっちにさせておけば、退屈さと寂しさから吠えてしまうのです。解決方法:一緒にいる時間を増やし、もっと運動をさせることです。もし、犬が孤独感から不安になって吠えるのであれば、短い時間犬だけにしておいて、大人しくしていたら、誉めてあげるというやりかたで、一人でいることは大丈夫だということを徐々に教えてあげてください。

もしクレート(ケージやバリケン)から出たくて吠えているのに、吠えている時にクレートから出してあげれば、犬の我がままに応じたことになり、この行動パターンは強化されてしまいます。吠えている犬を決してクレートから出してはいけないのです。“クワイエット(静かに)”と厳しい調子で叱ります。そしてほんの数秒でも静かになったら出してあげるのです。

コップ半分の冷たい水をかけたり、水鉄砲で水をかけたりすることは、手に負えない犬への最後の手段となりますが、吠えるのを無視して、吠え止むのを待ってから誉め、そして出してやるのが最も効果的な方法です。
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≫ 飛びつくこと

この問題をすぐに直そうと思っても、たいていはうまくいかず、いらいらするだけです。代わりに、あなたへのあいさつは、お座りしてするものだということだけを教えればいいだけです。お座りの命令を聞いて座るようになれば、飛びつかなくなります。
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≫ リードを引っ張らずに歩くこと

成犬にリードを引っ張らずに歩くことを教えるには、訓練用のカラーと6フィート(1.8m)のリードを用います。歩いていてリードを引っ張りはじめたなら、あなたは素早く向きを変え、逆の方向へ歩きます。そうすると犬はリードからぐいっとショックを受けます。犬は自分自身のしたことにより嫌な思いをするのです。それでもまだ前へ前へと行こうとするなら、同じことを繰り返し、向きを変えるのです。

犬が何回かこの自分自身による矯正を受けるまで数分間これを続けます。犬はすぐにリードを緩めて歩くことを覚え、あなたがどの方向へ歩くのかに注意を払うようになるでしょう。犬があなたのそばについて歩き、あなたに注意を払っているときはいつも誉めてあげましょう。
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≫ クレートトレーニング

クレートは犬を罰として入れるものではありませんし、そうした目的で使ってはいけません。犬にとって安全な場所であり、巣穴を探すという犬の本能を満たすものです。多くの犬は昼寝するために、あるいは家の中が騒がしくなった時にクレートを選びます。しかし、クレートを使いすぎてしまうこともあります。一日のうち8時間から10時間も入れておいて、犬は幸せだなんて思ってはいけません。

ハウスのトレーニングをするには、吠えている犬を出してやってはいけないということを忘れないでください。骨やナイラボーン(ナイロン製の丈夫な骨型オモチャ)と一緒にクレートに入れるようにすれば、それらお気にいりの物とクレートを関連づけて、すぐにクレートに入ることが大好きになるでしょう。

※クレートトレーニングについては、Gloria S Dittmannさんの記事も掲載してますので、合わせてご覧ください。
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≫ トイレのしつけ

トイレのしつけをするためには、クレートの外に出ている時には犬はあなたの監視下に置いておかなくてはいけません。家の中で犬がフリーの状態のときは、常に見張っていなくてはいけないのです。あなたが見ていない時にしてしまったとしても、それはあなたの責任なので、あなたはあなた自身を叱ることしかできないということを忘れないでください。浴室ですることを教えたいなら、そこへ行った時に誉めてください。クレートに犬を入れて、寝て起きた時や食餌の後に犬をその場所に連れていき待ちます。外に行くときは大袈裟に誉めてあげます。家の中でしそうになったら“ノー”と言って、すぐに外に連れていきます。外で排泄し終えたら誉めてあげてください。

トイレのしつけを短期間に成功させる秘訣は家の中でしてしまったという失敗を何がなんでも避けるということです。この失敗をしてしまうと、このしつけは難しいものとなってしまいます。
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最後に
犬を好き勝手にさせることは、その犬にとっても不幸なことです。

アルファになること(犬が人間を支配しようとする。これをアルファシンドローム・権勢症候群といいます。)は犬にとっても大変な仕事で、たくさんの事をしなくてはいけないのです。おそらく、犬はそんなことはする必要はないはずです。あなたは過度に寛大になって、犬の要求をすべて聞いてあげるようなことはしてはいけません。そんなことをすれば、あなたが許してしまった悪い習慣を矯正するために犬はさらに厳しく叱られなければならなくなるだけです。

もし犬のためを思うなら、できるだけ早く、行儀の良い家族の一員となるようしつけてあげてください。
好き勝手にさせるのと、愛情を混同してはいけません。すべての犬に深い思いやりと愛情が必要なのです。
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